中山クリニック

認知症リスクを4.3倍にする危険な食べ物7選 【医師が解説】

掲載日:2025.06.17(最終更新日:2025.06.17)

「認知症なんて、まだ先の話」と思っている方も多いかもしれません。
 
2022年厚生労働省の全国調査で明らかになった衝撃的な事実をご存知でしょうか?
65歳以上の12.3%認知症15.5%軽度認知障害と診断されており、合わせて約28%、つまり約1000万人の高齢者が何らかの認知障害を抱えています。さらに恐ろしいことに、今後10年でこの数字はさらに増加し、65歳以上の3人に1人が認知障害を患うと予測されているのです。
 
しかし、希望を捨てる必要はありません。最新の医学研究により、認知症予防は日々の食事選択によって大きく左右されることが科学的に証明されています。今回は、認知症リスクを高める危険な食べ物ワースト7を、医学的根拠に基づいて詳しく解説し、同時に認知症を予防する食べ物についても具体的にお伝えします。
 
この記事を最後まで読んでいただければ、認知症になりやすい食べ物を避け、認知症の予防の食べ物を積極的に取り入れる方法が明確になります。

————目次————
1.認知症になる食べ物ワースト7
2.第7位:
3.第6位:
4.第5位:
5.第4位:
6.第3位:
7.第2位:
8.第1位:
9.認知症 予防 食べ物:積極的に摂取したい食材
10.認知症予防の食事戦略
11.まとめ:今日の選択が未来の脳を決める

認知症になる食べ物ワースト7

第7位:アルコール取りすぎ(危険度1.05倍)

「お酒は百薬の長」という言葉がありますが、アルコール取りすぎは脳にとって確実に毒となります。2019年の大規模研究では、特に軽度認知機能障害を持つ方において、週14杯を超える飲酒が認知症 リスクを72%も増加させることが明らかになりました[1]

 

安全な摂取量の目安:

・週7杯まで(日本酒1合、ビール350ml、ワイン150mlが1杯)
・週1-2回の休肝日を設ける
・14杯を絶対に超えないよう注意
 

なぜアルコールが危険なのか:

アルコールは直接的な神経毒性を持ち、長期間の過剰摂取は脳細胞の死滅を引き起こします。体内で炎症反応を促進し、神経細胞を攻撃するだけでなく、ビタミンB1の吸収を妨げてビタミン欠乏症を引き起こします。適量であれば問題ありませんが、「適量」を守ることが何より重要です。

第6位:加工肉(危険度1.13倍)

朝食の定番であるベーコンやソーセージなどの加工肉も、認知症食べ物として注意が必要です。2025年に発表された最新研究では、13万人以上を最大43年間追跡した結果、加工肉の摂取が認知症リスクを13%増加させ、認知機能の老化を1.6年も早めることが判明しました[2]

 

安全な摂取量の目安:

・週25g未満(ベーコン2枚程度を週1回まで)
・毎日の摂取は避け、週末の楽しみ程度に留める
 

代替食品の効果:

研究によると、加工肉の代わりにナッツや豆類を摂取すると、認知症リスクが19%も減少するという素晴らしい結果が得られています。

 

なぜ加工肉が危険なのか:

加工肉に含まれる亜硝酸塩や保存料が体内で発がん性物質に変化し、脳の酸化ストレスを増加させます。また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞のリスクも、加工肉を摂取していない人と比べて1.5倍高くなります。

第5位:人工甘味料(危険度1.15倍)

「カロリーゼロだから安全」という常識を覆す衝撃的な研究結果が発表されました。人工甘味料、特にアスパルテームについて、2023年の報告では、FDA推奨量のわずか7-15%の摂取でも認知機能障害が起こり、さらにその影響が父親から子供に遺伝することが判明したのです[3]

 

安全な摂取量の目安:

 
・ダイエット飲料:1日1缶未満
・人工甘味料入り食品:週3-4回程度
・「カロリーゼロ」表示に過度に依存しない
 

なぜ人工甘味料が危険なのか:

人工甘味料の代謝産物であるメタノールやホルムアルデヒドが神経毒性を持ち、血液脳関門を通過して脳内の神経伝達物質バランスを乱します。幸い、日本人の摂取量は欧米に比べて少ないものの、油断は禁物です。

第4位:砂糖の取りすぎ(危険度1.2倍)

甘いものの食べ過ぎは、認知症 砂糖の関係として深刻な問題となっています。2023年の大規模レビューでは、すべてのコホート研究で砂糖の摂取量と認知症の発生率に正の相関が確認されました[4]

 

安全な摂取量の目安:

・WHO推奨:1日25g未満
・350ml炭酸飲料:週1-2本まで
・ケーキや和菓子:週2-3回の小サイズまで
 

なぜ砂糖の取りすぎが危険なのか:

慢性的な高血糖状態が血管を傷つけ、脳血流を減少させます。アルツハイマー病は「脳の糖尿病」とも呼ばれ、血糖値のコントロールが極めて重要です。さらに、糖化反応により生成されるAGEs(終末糖化産物)が肌の老化も加速させ、いわゆる「ブルドッグ顔」の原因にもなります。

第3位:トランス脂肪酸(危険度1.25倍)

マーガリン、ショートニング、揚げ物に含まれるトランス脂肪酸は、認知機能の低下だけでなく、実際に脳の容積を減少させることが研究で明らかになっています[5]

 

安全な摂取量の目安:

・1日2g未満(総カロリーの1%未満)
・マーガリン:大さじ1杯未満
・市販のクッキーやケーキ:週2-3回の小サイズまで
・外食の揚げ物:週1回未満
 

調理法の工夫:

揚げるより焼く、茹でる方法を選択することで、トランス脂肪酸の摂取を大幅に減らすことができます。
 

なぜトランス脂肪酸が危険なのか:

強い炎症反応を引き起こし、動脈硬化を促進します。認知症のリスクだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病のリスクも大幅に高めます。アメリカでは2018年から食品添加が原則禁止されており、世界的に規制が進んでいます。

第2位:超加工食品(危険度1.44倍)

現代生活に欠かせないインスタント麺、ファストフード、包装スナック菓子などの超加工食品ですが、2024年のメタ解析では、86万人以上のデータから、超加工食品の高摂取で認知症のリスクが44%増加することが確認されました[6]

 
安全な摂取量の目安:
・総カロリーの10%未満
・インスタント麺:週1回未満
・ファストフード:月1-2回程度
 

なぜ超加工食品が危険なのか:

人工的な添加物が直接脳機能に悪影響を与え、食物繊維不足により腸内細菌叢を悪化させます。腸の炎症が「脳腸相関」を通じて認知機能に影響し、必要な栄養素が不足した状態で高カロリーという「栄養不良肥満」を引き起こします。

第1位:塩分取りすぎ(危険度4.3倍)

最も危険な認知症になりやすい食べ物は「高塩分」です。2023年の大規模研究では、塩分摂取量が多い群で認知機能障害のリスクが最大330%も増加することが判明しました[7]。危険度4.3倍は、他のどの食品よりも圧倒的に高い数値です。

 

安全な摂取量の目安:

・WHO推奨:1日5g未満
・現実的目標:1日8g以下(日本人平均は約10g)
・インスタント食品や外食:週1回程度
 

減塩のコツ:

昆布や鰹節などの出汁を効かせた薄味を心がけ、香辛料やハーブを活用して味にメリハリをつけましょう。
 

なぜ塩分取りすぎが最も危険なのか:

塩分過多は脳血管を直接的に損傷し、脳への血流を減少させます。高血圧とは関係なく、塩分そのものが認知機能に悪影響を与えることも判明しています。さらに、腎臓への悪影響、肌の老化、心血管疾患のリスクも高め、まさに「老化を一気に加速させる食品」といえます。

認知症 予防 食べ物:積極的に摂取したい食材


危険な食べ物を避けるだけでなく、認知症 予防 食材を積極的に摂取することも重要です。
 
●オメガ3脂肪酸豊富な魚類:
サバ、イワシ、サンマなどの青魚を週2-3回摂取することで、脳の神経細胞を保護し、認知症予防に大きく貢献します。
●抗酸化物質豊富な野菜・果物:
ブロッコリー、ほうれん草、ベリー類などに含まれる抗酸化物質が、脳の老化を防ぎます。1日350g以上の野菜摂取を心がけましょう。
●ナッツ類・豆類:
アーモンド、クルミ、大豆製品などは、良質な脂質と食物繊維が豊富で、腸内環境を整えながら脳の健康をサポートします。
●全粒穀物:
白米より玄米、食パンよりライ麦パンなど、精製されていない穀物を選ぶことで、血糖値の急激な上昇を抑制できます。
●コーヒー:
1日2〜4杯のコーヒー摂取がアルツハイマー病のリスクを約32 %低下[8]させることがわかっています。
 

【解説動画】

コーヒーの摂取量で認知症リスクが変わる?最新研究が明らかに

認知症予防の食事戦略


認知症を予防する食事を実践するための具体的なステップをご紹介します:

     

  1. 段階的な改善を心がける:
  2. 完璧を求めず、できることから始めることが継続の秘訣です。まずは最も危険度の高い塩分過多から改善に取り組みましょう。
     

  3. 調理方法を工夫する:
  4. 揚げるより焼く、茹でる方法を選択し、トランス脂肪酸の摂取を減らします。
     

  5. 食品表示を確認する習慣:
  6. 加工食品や超加工食品の成分表示をチェックし、添加物の種類と量を把握しましょう。
     

  7. 外食頻度をコントロール:
  8. 外食や加工食品の利用を週1回程度に抑制し、家庭での手作り料理を増やします。

まとめ:今日の選択が未来の脳を決める


認知症予防は、毎日の食事選択の積み重ねです。認知症と食事の関係を正しく理解し、危険な食べ物を避けながら、脳に良い認知症を予防する食材を積極的に摂取することで、認知症のリスクを大幅に減らすことができます。
 
完全に止めるのではなく、適量・頻度管理です。特に塩分取りすぎは最大のリスク要因ですので、まずは減塩から始めましょう。甘い物 食べ過ぎにも注意し、人工甘味料や超加工食品、加工肉、トランス脂肪酸の摂取も控えめにすることが大切です。

食事改善と併せて、定期的な脳の健康チェックも重要です。明石市の中山クリニックの脳ドック検査では、最新のMRI検査で、あなたの脳の健康状態を詳しく評価し、個別の予防戦略をご提案いたします。認知症予防は早期からの対策が重要です。Webからのご予約はこちら

よくある質問

Q: 食事で本当に認知症のリスクは変わるのですか?

はい、確実に変わります。最新の医学研究により、特定の食べ物が認知症リスクを数倍に高める一方で、認知症を予防する食材を積極的に摂取することでリスクを大幅に減らせることが科学的に証明されています。

 

Q: 認知症予防に最も重要な食事のポイントは?

A: 認知症を予防する食事の基本は、脳血流を改善し、炎症を抑制する食材を選ぶことです。特に塩分過多を避け、オメガ3脂肪酸豊富な青魚や抗酸化物質を含む野菜・果物を積極的に摂取することが重要です。

引用文献

  1. Koch, M. et al. (2019). Alcohol Consumption and Risk of Dementia and Cognitive Decline Among Older Adults With or Without Mild Cognitive Impairment. JAMA Netw Open, 2(9), e1910319.
  2. Li, Y. et al. (2025). Long-Term Intake of Red Meat in Relation to Dementia Risk and Cognitive Function in US Adults. Neurology, 104(3), e210286.
  3. Jones, S. K. et al. (2023). Learning and memory deficits produced by aspartame are heritable via the paternal lineage. Sci Rep, 13(1), 14326.
  4. Gillespie, K. M. et al. (2023). The Impact of Free and Added Sugars on Cognitive Function: A Systematic Review and Meta-Analysis. Nutrients, 16(1), 75.
  5. Bowman, G. L. et al. (2012). Nutrient biomarker patterns, cognitive function, and MRI measures of brain aging. Neurology, 78(4), 241-9.
  6. Henney, A. E. et al. (2024). High intake of ultra-processed food is associated with dementia in adults: a systematic review and meta-analysis of observational studies. J Neurol, 271(1), 198-210.
  7. Liu, W. et al. (2023). Excessive Dietary Salt Intake Exacerbates Cognitive Impairment Progression and Increases Dementia Risk in Older Adults. J Am Med Dir Assoc, 24(1), 125-129.e4.
  8. Nila IS, et al. Effect of Daily Coffee Consumption on the Risk of Alzheimer’s Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Lifestyle Med. 2023 Aug 31;13(2):83-89.

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