昼寝、コーヒーも!?認知症リスクを下げる生活習慣とは?
掲載日:2025.05.20(最終更新日:2025.05.20)
これから日本は経験したことのない超高齢化社会を迎えます。
将来、もし自分や家族が「認知症」になったら…と不安に感じたことはありませんか?
実は、認知症を完全に防ぐことはできませんが、「認知症リスク」を下げることは可能です。
そして、そのカギは、日々のちょっとした生活習慣にあります。
今回のコラムでは認知症を予防するために大切な6つのポイントをわかりやすく解説します!
1.軽度認知障害(MCI)とは?認知症との違い
2.認知症リスクを高める生活習慣とは
3.「昼寝」で認知症予防できるって本当?
4.「コーヒーや紅茶」で脳が元気に?
5.認知症予防に効く運動習慣とは
6.認知症にならないために今からできること
7.まとめ
1. 軽度認知障害(MCI)とは?認知症との違い
認知症とは、「昨日の晩ごはんも思い出せない」など、記憶や判断力が大きく低下し、日常生活に支障をきたす状態です。
その前段階が「軽度認知障害(MCI)」です。MCIでは、
●ヒントがあれば思い出せる
●日常生活にはまだ支障がない
という特徴があり、早期に気づいて生活習慣を整えれば改善する可能性もあります。
実際に、MCIの人の10〜15%が1年以内に認知症に進行するとも言われています[1]。
軽度認知障害(MCI) | 認知症 |
---|---|
記憶力の低下はあるが、日常生活は自立 | 記憶障害に加え、日常生活に支障あり |
本人が物忘れを自覚 | 自分の状態を正確に認識できない |
介入で改善・安定する可能性あり | 進行性で、完全に元に戻らない |
年間10〜15%が認知症に移行 | 治療で進行を遅らせるのみ |
2. 認知症リスクを高める生活習慣とは
次のような生活習慣があると、認知症リスクが高くなります。
✅糖尿病:リスクが約1.6倍に
✅肥満(特に内臓脂肪):アミロイドβの蓄積が進みやすい
✅運動不足:脳への血流が減少
✅喫煙:脳の血管を収縮させ、認知機能を下げる
✅過度の飲酒:ワイン1.5L(ボトル2本)以上
つまり、生活習慣病の予防はそのまま認知症予防にもつながるということです[1]。
3. 「昼寝」で認知症予防できるって本当?
意外に思われるかもしれませんが、昼寝は認知症予防に効果があります。
ただしポイントは「短時間・週1〜3回」ということ。
・30分以内の昼寝 → 認知機能低下のリスクを53%減らす[2]
・毎日や長時間(1時間以上)の昼寝 → 逆にリスクが上がる[3]
つまり、週に2〜3回、15〜20分の昼寝が理想的です。
4. 「コーヒーや紅茶」で脳が元気に?
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインやポリフェノールには、脳を活性化させる効果があります。
・コーヒー:1日2〜4杯でアルツハイマー病のリスクを32%低下[4]
・紅茶:1日3杯でリスクが29%低下[6]
おすすめは「コーヒーナップ」という方法で、コーヒーを飲んでから15分程度の昼寝をすることで、スッキリ目覚め、集中力もアップします。
5. 認知症予防に効く運動習慣とは
運動は「脳への最高のプレゼント」ともいえます。
●脳の血流が増え、酸素や栄養が届く
●BDNF(脳由来神経栄養因子)が増えて、脳細胞が元気に
●生活習慣病の予防にも効果的
おすすめの運動は以下の通りです。
●ウォーキング(1日20分・週3回以上)
●水中ウォーキング、ヨガ、太極拳など
●室内では「片足立ち」や「椅子スクワット」も有効です
運動は「続けられること」が大切です。運動をきっかけとして、人と会話やコミュニケーションする社会活動も認知症予防になります。無理なく、自分に合った方法で取り入れましょう。
6. 認知症にならないために今からできること
認知症リスクを減らすために、今日からできる6つのことをまとめます。
- MCIに早く気づき、予防行動をとる
- 糖尿病・肥満・喫煙・過度の飲酒を避ける生活習慣を心がける
- 昼寝は30分未満を週に2〜3回
- コーヒー・紅茶は適量を楽しむ(1日3杯まで)
- 毎日の軽い運動を続ける
- 規則正しい睡眠と食生活を心がける
6. まとめ
認知症予防は、特別なことをする必要はありません。
「コーヒーを楽しむ」「昼寝する」「軽く体を動かす」など、身近でシンプルな習慣があなたの脳を守ってくれるのです。
将来も笑顔で過ごすために、できることから今日から始めてみましょう。
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引用文献
- Li XY, Zhang M, Xu W, Li JQ, Cao XP, Yu JT, Tan L. Midlife Modifiable Risk Factors for Dementia: A Systematic Review and Meta-analysis of 34 Prospective Cohort Studies. Curr Alzheimer Res. 2019;16(14):1254-1268. doi: 10.2174/1567205017666200103111253. PMID: 31902364.
- Kitamura K, Watanabe Y, Nakamura K, Takano C, Hayashi N, Sato H, Someya T. Short daytime napping reduces the risk of cognitive decline in community-dwelling older adults: a 5-year longitudinal study. BMC Geriatr. 2021 Aug 28;21(1):474. doi: 10.1186/s12877-021-02418-0. PMID: 34454431; PMCID: PMC8401113.
- Leng Y, Redline S, Stone KL, Ancoli-Israel S, Yaffe K. Objective napping, cognitive decline, and risk of cognitive impairment in older men. Alzheimers Dement. 2019 Aug;15(8):1039-1047. doi: 10.1016/j.jalz.2019.04.009. Epub 2019 Jun 18. PMID: 31227429; PMCID: PMC6699896.
- Nila IS, Villagra Moran VM, Khan ZA, Hong Y. Effect of Daily Coffee Consumption on the Risk of Alzheimer’s Disease: A Systematic Review and Meta-Analysis. J Lifestyle Med. 2023 Aug 31;13(2):83-89. doi: 10.15280/jlm.2023.13.2.83. PMID: 37970326; PMCID: PMC10630722.
- Zhang Y, Yang H, Li S, Cao Z, Li WD, Yan T, Wang Y. Association of coffee and genetic risk with incident dementia in middle-aged and elderly adults. Nutr Neurosci. 2022 Nov;25(11):2359-2368. doi: 10.1080/1028415X.2021.1966868. Epub 2021 Aug 23. PMID: 34424144.
- Hu HY, Wu BS, Ou YN, Ma YH, Huang YY, Cheng W, Tan L, Yu JT. Tea consumption and risk of incident dementia: A prospective cohort study of 377 592 UK Biobank participants. Transl Psychiatry. 2022 Apr 26;12(1):171. doi: 10.1038/s41398-022-01923-z. PMID: 35474192; PMCID: PMC9042826.