中山クリニック

40代以上は脳ドックが必要?受けた方がいい人の特徴と検査でわかることを現役医師が解説

掲載日:2025.05.19(最終更新日:2025.05.19)

脳画像

あなたは「自分の脳は大丈夫」と思っていませんか?
 
「頭痛やめまいが時々あるけど、年のせいだろう」
「脳の病気なんて関係ない」
「健康診断は毎年受けているから安心」
 
そう考えている40代以上の方に、ぜひ知ってほしいことがあります!
 
脳の病気は、症状が出たときにはすでに手遅れ、というケースが少なくありません。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など、命に関わる重大な病気も、実は発症前に“兆候”が見えることがあるのです[1]
 
その兆候を見つけて、予防・早期治療に活かすのが「脳ドック」です。
今回は、医師の立場から、特に40代以上の方に向けて[2]、脳ドックを受けるべき人の特徴や、どのような検査で何がわかるのかをわかりやすく解説します。

————目次————
1.なぜ40代から脳ドックが必要なのか?
2.脳ドックで発見される主な病気
3.脳ドックを受けた方がいい人の特徴
4.脳ドックで行う主な検査とその内容
5.検査結果からわかること
6.脳の健康を守るために日常でできること
7.まとめ
8. よくある質問(FAQ)

1. なぜ40代から脳ドックが必要なのか?

考えている女性

40代は、健康への過信が生じやすい年代です。
体力の低下を実感しつつも、生活習慣病などの自覚症状がまだ乏しいため、「まだ大丈夫」と思いがちです。
 
しかし脳は、日々の生活習慣の影響を受け続けています。
高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、ストレスなどは、脳の血管をじわじわと蝕み、「無症候性脳梗塞(症状のない脳梗塞)」や「脳動脈瘤(くも膜下出血の原因)」など、危険な状態を静かに進行させます。
 
これらは症状がないうちに見つけなければ、発症したときには取り返しがつきません

2. 脳ドックで発見される主な病気

脳神経外科

脳ドックでは、以下のような脳疾患を早期に発見することができます。
 
脳動脈瘤:くも膜下出血の原因となる脳血管のこぶ。破裂前に発見すれば予防的な手術も可能。
無症候性脳梗塞:脳の血流障害によって起きた過去の梗塞跡。将来の脳卒中リスクを予測できる。
白質病変(ラクナ梗塞):認知症や歩行障害の原因となる微小な脳血管障害。
脳腫瘍:良性・悪性問わず、早期発見で対応可能なことが多い。
脳萎縮:認知症の早期兆候の1つ。特に前頭葉や側頭葉の萎縮はアルツハイマー型の可能性。

3. 脳ドックを受けた方がいい人の特徴

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以下のような特徴がある人は、特に脳ドックの受診が勧められます。
 
40歳以上である
高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病がある
喫煙者または過去に喫煙していた
慢性的なストレスや睡眠不足がある
家族に脳卒中やくも膜下出血の既往がある
最近物忘れが気になる
めまいやふらつきがある
以前に脳梗塞を経験しているが、再検査をしていない

4. 脳ドックで行う主な検査とその内容

当院MRI画像

脳ドックでは、主に以下の検査を行います。
 
MRI(磁気共鳴画像法):脳の構造を詳細に把握。梗塞や萎縮、腫瘍の有無がわかる。
MRA(磁気共鳴血管撮影):脳の血管を立体的に撮影。動脈瘤や血管の狭窄を検出。
頸動脈エコー:動脈硬化の進行具合を評価。脳へ流れる血流の評価もできる。
認知機能検査:記憶力や注意力などを簡易テストで評価。
血液検査・血圧測定:生活習慣病の程度をチェック。

5. 検査結果からわかること

説明する医師画像

脳ドックを受ける最大のメリットは、症状が現れる前の段階で脳疾患のリスクを把握できる点です!
 
例えば、脳動脈瘤の存在や脳血管の狭窄といった、将来的にくも膜下出血や脳梗塞を引き起こす原因を発見することが可能です。
また、症状のない微小脳梗塞や白質病変が見つかることで、将来的な脳卒中リスクだけでなく、認知症への進行を予測することも可能です。自分の脳がどんな状態にあり、どんな注意が必要なのかが明確になります。
 
さらに、検査によって動脈硬化の進行具合や、血圧・血糖・脂質異常などの影響が脳にどのくらい現れているかを把握できる点も重要です。たとえ健康診断での数値にそれほど異常がなくても、脳ドックでの画像診断により、具体的な影響が見えることがあります。
 
このように、脳ドックは単なる「検査」ではなく、自分の脳の現状を知るための強力なツールであり、健康を守るための第一歩です。
 
脳ドックを受けることで、重篤な発作を未然に防ぐチャンスが生まれます!!

6. 脳の健康を守るために日常でできること

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脳の健康を維持するには、日々の生活習慣の見直しが欠かせません。
 
まず、塩分や脂肪の過剰摂取を控えることで、動脈硬化や高血圧を予防し、脳血管への負担を軽減できます。
適度な運動を継続することは、血流を良好に保ち、脳の酸素供給を促すために非常に有効です。
質の高い睡眠は、脳の疲労回復とホルモンバランスの維持に大きく影響します。
禁煙や節酒も重要で、これらの習慣は脳血管への悪影響を大きく減らすことが分かっています。
定期的な健康診断は、脳卒中や認知症のリスク因子を早期に発見し、予防することができます。

このように、日常の小さな工夫と継続的な健康管理が、将来の脳の健康を大きく左右します!
 

7. まとめ

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40代を過ぎると、体の不調を「年のせい」で済ませがちですが、脳の変化は静かに、しかし確実に進んでいきます。
 
脳ドックは、「症状が出る前に病気を見つける」ための唯一の手段です。
年齢を重ねても、仕事も趣味も楽しみ続けるためには、「脳の健康」を守ることが欠かせません。少しでも気になる症状がある方や、リスク因子をお持ちの方は、ぜひ一度、脳ドックを検討してみてください。

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8. よくある質問(FAQ)

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Q. 脳ドックは保険診療にできますか?
A. 脳ドックは健康保険適用外の自費診療となります。ご了承ください。
 
 
Q. 検査にはどのくらい時間がかかりますか?
A. 所要時間は受付から検査終了まで、約30分程度です。待ち時間がほとんどなく、スムーズにご案内できます。
 
 
Q. 検査当日に食事制限はありますか?
A. 特別な食事制限はありません。普段通りにお食事をされてご来院ください。
 
 
Q. どのような服装で行けばいいですか?
A. 金属の付いていない服装(ジャージやスウェットなど)をおすすめしています。着替えが必要な場合は、検査着をご用意しております。
 
 
Q. 妊娠中でも脳ドックは受けられますか?
A. 妊娠中または妊娠の可能性がある方は、MRI検査をお受けいただけません。事前にご相談ください。
 
 
Q. 検査で異常が見つかった場合はどうなりますか?
A. 異常が見つかった場合は、当院からご連絡のうえ、追加検査や専門医療機関へのご紹介をご案内いたします。ご安心ください。
 
 
Q. 検査結果はどのように受け取れますか?
A. 検査結果は、医師による診断レポートを作成し、ご自宅へ郵送いたします。

参考文献

  1. 厚生労働省. 厚生労働科学研究成果データベース. 脳卒中の予防・診断・治療に関する研究.
    URL: https://mhlw-grants.niph.go.jp/(最終閲覧日:2025年5月14日)
  2. 日本脳ドック学会. 脳ドックのガイドライン2019.
    URL:https://jbds.jp/guideline/ (最終閲覧日:2025年5月14日)

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