中山クリニック

ヒアルロン酸が効かない膝の痛みへ|次の選択肢を専門医が解説

掲載日:2026.07.25(最終更新日:2026.07.25)

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「ヒアルロン酸注射を何回か続けているのに、膝の痛みがよくならない」
 
——整形外科の外来で、とても多くいただくご相談です。
 
 
結論からお伝えすると、ヒアルロン酸が効かないと感じるのには理由があり、そのまま同じ治療を続ける以外にも、検討できる選択肢があります。
 
この記事では、効果を感じにくい主な理由と、次に検討したい治療の選択肢、受診の目安について、明石市の整形外科専門医が解説します。
 
 

————目次————
1.膝のヒアルロン酸注射が「効かない」と感じる3つの理由
2.「効かない」と感じたら、まず見直したい3つのこと
3.次の選択肢①:リハビリテーションによる保存療法の強化
4.次の選択肢②:再生医療という選択肢 ― PRP療法と、当院が力を入れるASC(脂肪由来幹細胞)治療
5.次の選択肢③:手術を検討する目安
6.整形外科の受診を検討するタイミング
7.まとめ|「効かない」まま続ける前に、一度膝の状態を確認しませんか
8.よくあるご質問(FAQ)

1. 膝のヒアルロン酸注射が「効かない」と感じる3つの理由

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ヒアルロン酸注射は、変形性膝関節症の保存療法として広く行われている治療です。
 
関節の動きを滑らかにし、痛みや炎症をやわらげることを目的としていますが、すべての方に同じように効果が出るわけではありません。「効かない」と感じる背景には、主に次の3つの理由が考えられます。
 
 

理由1:効果の出方・感じ方には個人差がある

ヒアルロン酸注射の効果には個人差があります。
 
数回の注射で楽になったと感じる方がいる一方で、あまり変化を感じられない方もいらっしゃいます。
膝の痛みは、関節の状態だけでなく、太ももの筋力、日々の活動量、体重などさまざまな要因に影響されるためです。
 
 

理由2:変形の進行度によっては効果が限定的になりやすい

変形性膝関節症が進行し、軟骨のすり減りが大きくなった膝では、ヒアルロン酸注射の効果が限定的になりやすいと考えられています。
 
「以前は注射のあと楽になっていたのに、最近は効かなくなってきた」
という場合、膝の変形が進行している可能性もあります。
 
一度、現在の膝の状態を確認することが大切です。
 
 

理由3:痛みの原因が関節の変形以外にある場合もある

膝の痛みの原因は、軟骨のすり減りだけではありません。
 
半月板の損傷、膝のまわりの筋肉や腱の問題、腰の神経からくる痛みなどが隠れていることもあります。
この場合、ヒアルロン酸注射だけでは十分な改善が得られにくく、原因に応じた治療が必要になります。
 
 

2. 「効かない」と感じたら、まず見直したい3つのこと

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1. 運動療法(太ももの筋力トレーニング)

変形性膝関節症の治療において、国内外の診療ガイドラインが一貫して重視しているのが、運動療法・患者教育・体重管理です[3]。
特に太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)を鍛えると、膝にかかる負担が減り、痛みの軽減が期待できます。
注射だけに頼らず、運動療法を組み合わせることが改善への近道です。
 

2. 体重管理と生活習慣

歩くとき、膝には体重の数倍の負担がかかるといわれています。
体重を少し減らすだけでも膝への負担は軽くなります。また、正座や深いしゃがみ込み、階段の使い方など、日常の動作を工夫することも膝の痛みの管理に役立ちます。
 

3. 痛みの原因の再評価(診察・画像検査)

注射を続けても改善を感じられない場合は、一度立ち止まり、レントゲンやMRIなどの検査で膝の状態を再評価することをおすすめします。軟骨の欠損や半月板の断裂、靭帯のゆるみ、骨の変形や進行度が明らかになり、痛みの原因がはっきりすると、次に選ぶべき治療も具体的になります。
 
 

3. 次の選択肢①:リハビリテーションによる保存療法の強化

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運動が大切といわれても、自己流では続かない
どんな運動をしてよいかわからない
 
という方には、理学療法士によるリハビリテーションをおすすめします。
 
当院では、膝の状態や筋力に合わせた運動プログラムの作成、歩き方や日常生活動作の指導など、運動器リハビリテーションを行っています。注射とリハビリを組み合わせることで、痛みの管理がしやすくなる方も多くいらっしゃいます。
 
 

4. 次の選択肢②:再生医療という選択肢 ― PRP療法と、当院が力を入れるASC(脂肪由来幹細胞)治療

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ヒアルロン酸注射で十分な効果を感じられなかった方が、手術の前に検討できる選択肢のひとつが再生医療です。
再生医療には、ご自身の血液を用いるPRP療法と、ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を用いるASC(脂肪由来幹細胞)治療があります。
当院では、自分の組織で膝の痛みを治す再生医療としてASC治療に力を入れています。
 

PRP療法(多血小板血漿療法)

PRP療法は、ご自身の血液から血小板を多く含む成分(多血小板血漿:PRP)を取り出し、膝関節内に注射する治療です。
血小板に含まれる成長因子の働きによって、膝の痛みや炎症をやわらげることを目指します。
採血のみで行えるため体への負担が比較的少なく、再生医療の入り口として選ばれています。42件のランダム化比較試験をまとめた2025年に解析した報告では、PRP療法はヒアルロン酸注射と比べて痛みや機能の改善が良好だったと報告[1]されています。
 

ASC(脂肪由来幹細胞)治療 ― より進んだ最強レベルの再生医療

ASC治療は、ご自身のおなかなどから少量の脂肪組織を採取し、その中に含まれる幹細胞(脂肪由来間葉系幹細胞)を膝関節内に注射する再生医療です。
幹細胞には炎症をやわらげ、組織の修復を助ける働きが期待されており、成長因子のみを用いるPRPに続く、より新しいアプローチとして研究が進んでいます。
 

研究で報告されている効果と限界

複数の比較研究をまとめた系統的レビューでは、脂肪由来幹細胞(ADSC)による治療が、ヒアルロン酸やPRPと比べて良好な臨床成績を示したと報告した論文があります[4]。痛みや膝の機能の改善が、より長く続く可能性が指摘されています。
 
一方で、幹細胞の採取・投与の方法は研究によってばらつきが大きく、プラセボ(生理食塩水)と明確な差が見られなかったとする比較試験も報告されています[2,5]。つまりASC治療は有望な選択肢ではあるものの、すべての方に同じ効果をお約束できる治療ではなく、効果には個人差があります。当院では、膝の状態や画像所見をふまえ、PRPとASCのどちらが適しているかを慎重に判断します。
 

費用・リスク・副作用について(自由診療です)

PRP療法・ASC治療はいずれも公的医療保険が適用されない自由診療です。
費用は治療内容によって異なりますので、こちらのページをご覧ください。

ご自身の組織を用いる治療ですが、注射部位や脂肪採取部位の痛み・腫れ・内出血、まれに感染などのリスクがあります。
当院では、再生医療等安全性確保法に基づく届出のもとで治療を提供しており、診察時に効果とリスクの両面をご説明したうえで、受けるかどうかをご判断いただきます。
 
→ 詳しくは「再生医療のご案内」をご覧ください。
再生医療について詳しくはコチラ!
 

5. 次の選択肢③:手術を検討する目安

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保存療法や再生医療を検討しても痛みが強く残り、日常生活への支障が大きい場合には、人工膝関節置換術や骨切り術などの手術が選択肢になります。
 
歩ける距離が大きく減った
夜間や安静時の痛みで眠れない
膝の変形が目に見えて進んできた
 
このような状態が続く場合は、手術も含めた治療方針を検討する時期かもしれません。
当院では、実際に膝を診察してからMRIやレントゲンで膝の状態を詳しく診察して、再生医療が適応であるか、手術が適しているか、どのような治療がご希望であるか、患者様の意見を最大限に考慮して治療を提案させていだだきます。
 
膝の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
 

6. 整形外科の受診を検討するタイミング

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次のような状態に心当たりのある方は、一度整形外科の受診を検討してください。
 
ヒアルロン酸注射を数か月続けても、痛みがほとんど変わらない
歩ける距離が短くなってきた
階段の上り下りや正座がつらくなってきた
膝に水がたまるのを繰り返している
 
早めに膝の状態を評価することで、リハビリ・再生医療・手術など、選べる選択肢が広がります。
 
→ 膝の痛みの診療については「整形外科のご案内」をご覧ください。
整形外科についてのご案内
 

7. まとめ|「効かない」まま続ける前に、一度膝の状態を確認しませんか

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ヒアルロン酸注射が効かないと感じる背景には、効果の個人差、変形の進行、関節以外の原因など、いくつかの理由があります。
大切なのは、「効かない」と感じたまま同じ治療だけを続けるのではなく膝の状態を再評価し、運動療法・リハビリテーション・ASC(脂肪由来幹細胞)・PRPなどの再生医療・手術といった選択肢を、ご自身の状態に合わせて検討することです。
 
中山クリニックでは、「笑顔と健康でみんなを幸せに」を理念に、整形外科専門医の診察とリハビリテーション、再生医療(ASC・PRP)まで、膝の痛みに幅広く対応しています。ヒアルロン酸を続けても膝の痛みが変わらないと感じる方は、現在の膝の状態を一度確認してみませんか。
 
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8. よくあるご質問(FAQ)

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Q1. ヒアルロン酸注射は何回打っても効かない場合、続ける意味はありますか?

A. 効果の感じ方には個人差があり、数回で判断せず医師と相談することが大切です。数か月続けても改善を感じない場合は、運動療法の見直しや他の治療の検討を含め、一度膝の状態を再評価することをおすすめします。
 

Q2. ヒアルロン酸が効かないのは、膝の変形が進んでいるからですか?

A. その可能性はあります。変形が進行した膝では効果が限定的になりやすいと考えられています。ただし原因は一つではないため、診察や画像検査での確認が必要です。
 

Q3. ASCとPRPはどちらが良いですか?費用や保険はどうなりますか?

A. ASC(脂肪由来幹細胞)治療とPRP療法は、いずれも保険適用外の自由診療です。研究では脂肪由来幹細胞がPRPより良好な成績を示したと報告した論文もありますが、効果には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束できるものではありません。膝の状態により適したほうが異なりますので、費用・リスク・副作用とあわせて診察時にご説明します。
 

Q4. 「手術しかない」と言われました。手術以外の選択肢はありますか?

A. 膝の状態によっては、リハビリテーションによる保存療法や再生医療(当院が力を入れるASC・脂肪由来幹細胞治療やPRP療法など)が検討できる場合があります。適応は状態により異なるため、整形外科専門医にご相談ください。
 

Q5. どのタイミングで受診すればよいですか?

A. 注射を続けても痛みが変わらない、歩行や階段がつらくなってきた、と感じた時点が受診の目安です。早めに膝の状態を評価することで、選択肢を広く検討できます。
 

参考文献

  1. Xu H, Shi W, Liu H, Chai S, Xu J, Tu Q, et al. Comparison of hyaluronic acid and platelet-rich plasma in knee osteoarthritis: a systematic review. BMC Musculoskelet Disord. 2025;26:236.
  2. Qiao X, Yan L, Feng Y, Li X, Zhang K, Lv Z, et al. Efficacy and safety of corticosteroids, hyaluronic acid, and PRP and combination therapy for knee osteoarthritis: a systematic review and network meta-analysis. BMC Musculoskelet Disord. 2023;24:926.
  3. Gibbs AJ, et al. Osteoarthritis Cartilage. 2023.
  4. Piyapanyamongkhon P, Rojpalakorn W, Yudtanahiran N, Itthipanichpong T, Limskul D, Thamrongskulsiri N. Clinical Outcomes of Adipose-Derived Cell-Based Therapies Versus Platelet-Rich Plasma in Knee Osteoarthritis: A Systematic Review. Indian J Orthop. 2026.
  5. Pers YM, Schrezenmeier H, Fleury-Cappellesso S, Nöth U, Rackwitz L, Ferreira R, et al. Effect of intra-articular adipose-derived mesenchymal stromal cell versus placebo injection on pain and function in patients with knee osteoarthritis: the ADIPOA2 phase 2b randomised clinical trial. Ann Rheum Dis. 2025 Aug 29:S0003-4967(25)04296-7.

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