スクワットはやめて!膝に負担をかけずに下半身を鍛える「最強の宅トレ」3選
掲載日:2025.12.19(最終更新日:2025.12.19)

「健康のために足腰を鍛えなきゃ」
そう思って、毎日スクワットを頑張っていませんか?🤔
実はその努力が、逆にあなたの膝を壊しているかもしれません。
当院でも、
「良かれと思ってスクワットを続けていたら、膝の痛みが増してしまった」
という患者さんが後を絶ちません。
この記事では、医学的な根拠に基づき、膝に負担をかけずにしっかりと下半身を鍛える
「最強の宅トレ」
を3つ厳選してご紹介します。
1.なぜ?あなたのスクワットが膝を壊す「逆効果」になる理由
2.整形外科医が教える!スクワットの代わりになる「最強の宅トレ」3選
3.効果を最大化するためのQ&Aと注意点
4.まとめ:一生歩ける足を作るために
5.専門家と一緒に、本気で体を変えたい方へ
6.引用文献
1.なぜ?あなたのスクワットが膝を壊す「逆効果」になる理由

「スクワットは下半身トレーニングの王様」
これは間違いではありません。正しいフォームで行えば、非常に効果的な運動です。
しかし、多くの方が陥ってしまう「落とし穴」があります。
それは、フォームの崩れと、負荷のかけすぎです。
1. 膝への圧力が限界を超えているかも?

多くの医学研究において、スクワットの深さが深くなるほど、膝関節にかかる圧力が増大することが報告されています[1]。
「深くしゃがんだほうが効く気がする」
そう思って、無理にフルスクワット(一番下までしゃがみ込む動作)を行っていませんか?
確かに深くしゃがめば筋肉への刺激は増えますが、その分、膝への負担も最大になります[3]。もしあなたが少しでも膝に不安を抱えているなら、この方法はリスクが高すぎます。
軟骨がすり減ったり、炎症が悪化したりして、将来的に「変形性膝関節症」のリスクを高めてしまう可能性があるのです。
これでは本末転倒ですよね😥
2. 「ニーイン」という危険なフォーム

もう一つの大きな原因がフォームの乱れです。
特に危険なのが、しゃがむ時に膝が内側に入ってしまう「ニーイン(Knee-in)」という状態です。
「膝がつま先より前に出ないように」
この言葉を意識しすぎるあまり、フォームが不自然になり、膝が内側に入ってしまう方が非常に多いのです。
ニーインの状態を続けると、膝の内側に過剰なねじれの力がかかり、半月板や靭帯を損傷する原因になります。
3. 正しいアプローチとは?

では、どうすれば良いのでしょうか?
答えは、「闇雲に太ももの前だけを鍛えるのをやめる」ことです。
膝の痛みを抱える女性を対象にした研究では、単に太ももの前(大腿四頭筋)を鍛えるだけでなく、お尻や体幹を含めた「機能的なトレーニング」を行うことが、痛みと機能の改善に効果的であると示されています[2]。
つまり、膝そのものに負担をかけず、お尻や裏もも、そして体幹を上手に使うトレーニングこそが、膝が痛い人のための正解なのです。
2.整形外科医が教える!スクワットの代わりになる「最強の宅トレ」3選

ここからは、自宅で簡単にできて、膝への負担が極めて少ない3つのトレーニングをご紹介します。
これらは変形性膝関節症の運動療法としても推奨されており、筋力を強化することで痛みの軽減に繋がることが多くの研究で証明されています[4],[5]。
特別な器具は一切不要です。今日からすぐに始めましょう!💪
① チェアスクワット(椅子スクワット)

通常のスクワットが難しい方でも、椅子を使うことで安全に行えるトレーニングです。
最大のポイントは「ヒップヒンジ(股関節の蝶番運動)」です。
膝を曲げるのではなく、お尻を突き出す動きを覚えることで、膝への負担を劇的に減らせます。
【効果】
お尻(大臀筋)や太ももの裏側(ハムストリングス)といった大きな筋肉を効率よく鍛えられます。
【やり方】
✅ 椅子の少し前に立ちます。
✅ 足は肩幅に開きます。
✅ お尻を後ろに「プリッ」と突き出すように引きながら、ゆっくり椅子に座る動作をします。
✅ 完全にお尻が椅子につく直前(または軽く触れた瞬間)で止め、ゆっくりと立ち上がります。
✅ この動作を10回繰り返します。
👨⚕️ 医師のアドバイス
膝がつま先より前に出ないことよりも、「お尻」を意識してください。立ち上がる時にお尻に「キュッ」と力が入る感覚があれば完璧です✨
テレビを見ながら、CMの間だけでも構いません。まずはここから始めましょう。
② グルートブリッジ(お尻上げ)

これは仰向けに寝て行う運動なので、膝に体重がかからず、関節への負担がほぼゼロです。
腰痛持ちの方にもおすすめできる、非常に優秀なトレーニングです。
【効果】
お尻の大臀筋とハムストリングスを重点的に鍛え、骨盤を安定させます。
【やり方】
✅ 仰向けに寝て、膝を90度に曲げます。
✅ 足は肩幅に開きます。
✅ お尻をゆっくりと持ち上げ、肩から膝までが一直線になるようにします。
✅ 一直線になった状態で5秒キープし、ゆっくり下ろします。
✅ この動作を10回繰り返します。
👨⚕️ 医師のアドバイス
お尻を持ち上げすぎて腰が反らないように注意しましょう。「肩から膝まで一直線」が目安です。寝る前のベッドの上でもできるので、習慣化しやすいですよ🛌
③ レッグレイズ(足上げ運動)

最後は、太ももの前の筋肉を安全に鍛える方法です。
歩くために欠かせない「大腿四頭筋」は、通常のスクワットだと膝のお皿に負担がかかりやすいですが、この方法なら安心です。
【効果】
膝関節を安定させる大腿四頭筋を、関節を動かさずに(等尺性収縮に近い形で)鍛えることができます。
【やり方】
✅ 仰向けに寝て、片方の膝を立てます。
✅ もう片方の脚は伸ばしておきます。
✅ 伸ばした方の脚を、太ももの筋肉を意識しながら、床から10cmほどゆっくり上げます。
✅ 5秒キープして、ゆっくり下ろします。
✅ この動作を左右10回ずつ繰り返します。
👨⚕️ 医師のアドバイス
高く上げる必要はありません。10cm程度浮かすだけで十分です。太ももの前が「プルプル」するのを感じてください。それが効いている証拠です🔥
3.効果を最大化するためのQ&Aと注意点
ここでは、患者さんからよくいただく質問に、AEO(回答エンジン最適化)の観点からお答えします。
Q. どれくらいの頻度でやればいいですか?
A. 1日2〜3セットを目標にしましょう。
まずは各種目10回を1セットとして、1日に2セットか3セット行うのが理想です。
一度にまとめてやる必要はありません。朝・昼・晩と分けてもOKです。「継続」することが何よりの薬です。
Q. 痛みがある時はやってもいいですか?
A. いいえ、痛みを感じる場合はすぐに中止してください。
「痛いほうが効いている」というのは大きな間違いです。関節の中に炎症があるサインかもしれません。痛みのない範囲で行うのが、リハビリテーションの鉄則です。
Q. 本当にスクワットの代わりになりますか?
A. はい、膝を守るという意味ではスクワット以上の価値があります。
今回ご紹介した3つの運動は、膝への圧縮力を最小限に抑えつつ、必要な筋肉をピンポイントで刺激する方法です。
特に中高年の方や膝に不安がある方にとっては、スクワットの代わりとして、むしろ「第一選択」とすべきトレーニングと言えます。
4.まとめ:一生歩ける足を作るために

いかがでしたか?
「スクワットじゃないとダメだ」という思い込みは捨てて大丈夫です。
今回ご紹介した:
- チェアスクワット(お尻を使う感覚を養う)
- グルートブリッジ(膝への負担ゼロでお尻を強化)
- レッグレイズ(太ももの前を安全に鍛える)
この3つを組み合わせることで、膝を痛めることなく、しっかりと下半身を強化できます。
皆さんの膝は、一生付き合っていく大切なパートナーです。
間違った努力で寿命を縮めるのではなく、医学的根拠に基づいた正しい知識で、いつまでも自分の足で元気に歩ける身体を維持していきましょう✨
動画で復習して、正しいフォームをマスターしよう

文章だけでは分かりにくい動きの細かいニュアンスは、ぜひ動画で確認してください。
私(中山医師)の実演解説で、今日から自信を持ってトレーニングを始められます!
📺 [動画を再生する:膝に負担をかけない「最強の宅トレ」3選
5.専門家と一緒に、本気で体を変えたい方へ
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【メディカルパーソナルジム リノベボディ】

医師監修のもと、理学療法士などの国家資格を持つトレーナーが、あなたの膝の状態や体力に合わせた「完全オーダーメイド」のトレーニングを提供します。
痛みへの不安を抱えながらの運動は、もう終わりにしましょう。
医学的な視点から、安全かつ最短距離で、あなたの身体を「リノベーション」します。
詳細やお問い合わせは、こちらの動画の概要欄、または公式LINEからご確認ください。
6.引用文献
- Hartmann H, Wirth K, Klusemann M. Analysis of the load on the knee joint and vertebral column with changes in squatting depth and weight load. Sports Med. 2013 Oct;43(10):993-1008.
- Baldon Rde M, Serrão FV, Scattone Silva R, Piva SR. Effects of functional stabilization training on pain, function, and lower extremity biomechanics in women with patellofemoral pain: a randomized clinical trial. J Orthop Sports Phys Ther. 2014 Apr;44(4):240-251.
- Bryanton MA, Kennedy MD, Carey JP, Chiu LZ. Effect of squat depth and barbell load on relative muscular effort in squatting. J Strength Cond Res. 2012 Oct;26(10):2820-8.
- Bartholdy C, Juhl C, Christensen R, Lund H, Zhang W, Henriksen M. The role of muscle strengthening in exercise therapy for knee osteoarthritis: A systematic review and meta-regression analysis of randomized trials. Semin Arthritis Rheum. 2017 Aug;47(1):9-21.
- Zeng CY, Zhang ZR, Tang ZM, Hua FZ. Benefits and Mechanisms of Exercise Training for Knee Osteoarthritis. Front Physiol. 2021 Dec 16;12:794062.
