【医師が解説】70歳からの筋力低下は危険信号!ロコモを防ぎ、一生歩ける「抗重力筋」の育て方
掲載日:2025.09.19(最終更新日:2025.09.17)
「もう年だから、筋肉なんてつかないよ…」
「最近、歩くのがつらくなってきたな…」
そんな風に感じて、ため息をついているあなたへ。
今日は、人生100年時代を最後まで自分の足で元気に歩くための、とっておきの秘訣をお伝えします!
このコラムを読み終える頃には、「よし、今日からやってみよう!」と、きっと前向きな気持ちになっているはずです。
ぜひ、リラックスして最後までお付き合いくださいね😊
1.「もう年だから…」は禁句です!70歳からでも筋肉は育ちます💪
2.あなたの筋肉、衰えてない?危険度をチェックしてみよう!
3.放置は危険!「ロコモティブシンドローム」という静かなる脅威
4.Q&Aでスッキリ解決!「抗重力筋」ってどこの筋肉のこと?
5.【動画で実践】たったこれだけ!魔法の簡単筋トレ法
6.【超重要】筋肉を育てるための3つの黄金ルール
7.まとめ:今日から始める、明るく元気な未来への第一歩
✅「もう年だから…」は禁句です!70歳からでも筋肉は育ちます💪
「70歳を過ぎてから筋肉をつけるなんて、本当にできるの?」
多くの方がそう思われるかもしれません。
アナウンサーの方にも、正直なところ難しいですよね?と聞かれました。
しかし、答えは「いいえ、そんなことはありません!」です。
もちろん、年齢とともに筋肉が少しずつ減っていくのは自然なことです。
でも、それは決して「もう増やせない」ということではないんです。
正しい方法でアプローチすれば、70歳、80歳からでも、筋肉を効果的につけて、体を若々しく保つことは十分可能なんです。
実際に当院の通所リハビリで運動を続けてた患者さんからは、こんなに嬉しい声が届いています。
●「運動を始めてから、すたすたと歩きやすくなった!」(81歳・女性)
●「歩けるようになって、色々なところにまた出かけられるようになったのが嬉しい」(74歳・女性)
●「足の力がついて、歩く時にグッと踏ん張りがきくようになったんです」(79歳・女性)
●「プールの友達に『歩き方がシャンとして、よくなったね』って褒められたのよ」(73歳・女性)
いかがですか?皆さん、年齢を重ねてからでも、しっかりと体を変え、人生をより豊かに楽しんでいらっしゃいます。諦めるのは、まだ早いですよ!
✅あなたの筋肉、衰えてない?危険度をチェックしてみよう!
「自分はまだ大丈夫」と思っていても、筋力の衰えは静かに始まっているかもしれません。
まずは、ご自身の体をチェックしてみましょう。
【あなたの筋力チェックリスト】
□ 椅子から立ち上がる時に、つい手をついてしまう
□ 片足立ちで靴下がはけない
□ 何もないところで、つまずいたり、すべったりすることが増えた
□ 階段を上るのに、手すりがないと不安
□ スーパーで牛乳やお米など、少し重いものを持つのがつらい
□ 横断歩道を、青信号のうちに渡りきれないことがある
さあ、いくつ当てはまりましたか?
実は、ひとつでも当てはまったら要注意です。
すでに、あなたの体を支える大切な筋肉が「助けてー!」とサインを出している証拠なのです。
✅放置は危険!「ロコモティブシンドローム」という静かなる脅威
もし、このサインを見逃して筋力の低下をそのままにしておくと、どうなってしまうのでしょうか?
筋肉が衰えると、まず「立つ」「歩く」といった、私たちが当たり前にしている日常の動作がだんだん難しくなっていきます。
この状態を、「ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)」と言います。運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態のことです。
ロコモが進行すると、さらに深刻な事態を招きます。
転倒しやすくなる → 骨折 → 寝たきり・要介護状態へ…
まるで、悪いドミノ倒しのように、あっという間に自立した生活が送れなくなってしまう可能性があるのです。考えただけでも、恐ろしいですよね。
そうならないために、今、私たちがすべきこと。それは、高齢者が筋肉をつけること、特に「抗重力筋」を鍛えることなのです!
✅Q&Aでスッキリ解決!「抗重力筋」ってどこの筋肉のこと?
Q. 先生、「抗重力筋(こうじゅうりょくきん)」って、なんだか難しそうな名前ですね。一体どこの筋肉なんですか?
A. とても良い質問ですね!名前は少し難しく聞こえますが、役割はとてもシンプルです。抗重力筋とは、その名の通り「重力に抗って(あらがって)、私たちの体を支えてくれる筋肉」のことです。
私たちが2本の足でしっかりと立ち、歩き、生活できるのは、この抗重力筋が地球の重力に負けずに、常に頑張ってくれているおかげなんです。特に重要なのは、以下の3つの筋肉です。
●お尻の筋肉(大臀筋)
●太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)
●ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)
これらの筋肉を鍛えることが、歩く力を高め、転倒のリスクを減らすための最短ルートなんですよ[1]。
✅【動画で実践】たったこれだけ!魔法の簡単筋トレ法✨
「よし、筋肉を鍛えるぞ!」と意気込んでも、ジムに通ったり、激しい運動をしたりするのは大変ですよね。
ご安心ください!今回は、誰でも、いつでも、どこでも、テレビを見ながらでもできる、とっておきの簡単トレーニングを特別にご紹介します。
その名も「片足立ち」です!
「え、それだけ?」と思われたかもしれませんね。
でも、この「片足立ち」こそが、抗重力筋を安全かつ効率的に鍛える、まさに魔法のようなトレーニングなのです。
詳しいやり方や、さらに効果を高める秘密のテクニック「ゆるカワ加圧💛」については、こちらの動画で私が直接、分かりやすく解説しています。ぜひご覧ください!
▶️YouTube動画で「最強の筋肉のつけ方」をチェック!
動画を見る時間がない方のために、少しだけポイントをお伝えしますね。
片足で立つと、体は少し不安定になりますよね。そのグラグラする体を倒れないように支えようとすることで、バランスを司る筋肉が自然と鍛えられるのです。これが、歩いている時のふらつきを防ぎ、転倒リスクを劇的に減らしてくれます[2]。
実際に、片足立ちトレーニングを3ヶ月続けた方は、バランス能力や歩くスピードが明らかに改善したという研究データもあります[3]。当院のデータでも、3mの移動時間が8.5秒から7.2秒に、椅子からの5回立ち上がり時間が12.1秒から9.9秒へと、素晴らしい改善が見られました!
さらに、動画で紹介している「ゆるカワ加圧💛」は、100円均一ショップで手に入るゴムバンドを使って、軽い運動でも大きな効果を引き出す画期的な方法です。こちらも当院の調査で、通常の運動よりもさらに大きな効果が示されています[4]。
✅【超重要】筋肉を育てるための3つの黄金ルール
素晴らしい筋トレも、それだけでは効果が半減してしまいます。筋肉を効率よく、そして確実に育てるためには、運動と合わせて3つの黄金ルールを守ることが不可欠です。
黄金ルール①:食事 🍽️
筋肉は、私たちが食べたものから作られます。特に、筋肉の材料となる「タンパク質」は絶対に欠かせません。
●お肉 🍖
●お魚 🐟
●卵 🥚
●大豆製品(豆腐、納豆など)
これらの食品を、毎日の食事に積極的に取り入れましょう。朝・昼・晩と、3食に分けてこまめに摂るのがポイントです。
また、タンパク質の吸収を助ける**「ビタミンD」**も重要です。ビタミンDは、きのこ類や魚に多く含まれるほか、日光を浴びることでも体内で作られます。天気の良い日は、少しお散歩するのも良いですね☀️[5]。
もっと詳しく栄養のことを知りたい方へ
当院では、専門家による栄養カウンセリングも行っています。ご自身の食生活に不安がある方、何を食べれば良いか分からない方は、お気軽にご相談ください。
黄金ルール②:睡眠😴
「寝る子は育つ」と言いますが、これは筋肉にも当てはまります。私たちがぐっすり眠っている間に「成長ホルモン」が分泌され、トレーニングで少し傷ついた筋繊維を修復し、より強く、太く育ててくれるのです。
質の良い睡眠を、毎日7〜8時間は確保することを目標にしましょう。寝る前のスマホやテレビは控えて、リラックスできる環境を整えるのがおすすめです。
黄金ルール③:社会活動🧑🤝🧑
意外に思われるかもしれませんが、「社会とのつながり」も筋力維持には非常に大切です。
お友達とおしゃべりしたり、趣味のサークルに出かけたり、地域のイベントに参加したり…。そういった社会活動は、心にハリを与えてくれます。心が元気になると、自然と「外に出よう」「体を動かそう」という意欲が湧いてきますよね。
逆に、家に引きこもりがちになると、心身の活力が低下し、結果的に筋力も衰えてしまうのです。人との交流は、心と体の両方にとって最高の栄養になります。
✅まとめ:今日から始める、明るく元気な未来への第一歩
今回は、70歳からの筋肉のつけ方について、解説しました。最後に、大切なポイントをもう一度おさらいします。
- 年齢を理由に諦めないで!70歳からでも筋肉は必ずつけられます。
- 「片足立ち」と、動画で紹介する「ゆるカワ加圧💛」で、抗重力筋を効率よく鍛えましょう。
- 運動だけでなく、「食事」「睡眠」「社会活動」の3つの黄金ルールを大切に。
これからの人生を、痛みや不安なく、健康で、明るく、楽しく過ごすために。まずは今日からできること、例えば「椅子から立つ時に、手をつかないように意識する」といった、ほんの小さな一歩から始めてみませんか?
あなたのその一歩が、10年後、20年後の元気な自分を作る、何より大切な一歩になるはずです。
このコラムは、私たちの理念である「笑顔と健康でみんなを幸せに」に基づいて発信しています。あなたの健康な未来へのきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。
引用文献
- Cadore EL, et al. Effects of different exercise interventions on risk of falls, gait ability, and balance in physically frail older adults: a systematic review. Rejuvenation Res. 2013 Apr;16(2):105-14.
- Lord SR, et al. The effect of single-leg stand balance training on fall rates in frail older people: a randomized controlled trial. J Am Geriatr Soc. 2007 Aug;55(8):1184-91.
- Melzer I, et al. Postural stability and falls in older adults: the relationship between a single-leg stance test and fall risk. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2004 Jan;59(1):M1-M7.
- Yasuda T, et al. Comparison of muscle size and strength improvements in young and old males after 3 months of low-intensity resistance training with or without blood flow restriction. J Physiol. 2008 Feb 15;586(4):1121-31.
- Burton M, et al. Vitamin D and muscle function: A systematic review. J Appl Physiol. 2010 Jun;108(6):1557-69.