【腱板損傷の治し方】肩の痛みを根本から解決!保存療法から最新手術まで完全ガイド
掲載日:2025.06.17(最終更新日:2025.06.17)
「腕を上げると肩がズキッと痛む」「夜中に寝返りで肩が痛くて目が覚める」——そんなお悩みありませんか?
それはもしかしたら「腱板損傷」が原因かもしれません。この記事では、
✅腱板損傷とは何か
✅よくある症状
✅保存療法・リハビリ・再生医療・手術までの治し方
を、医学的根拠に基づいてやさしく解説します。
肩の痛みを根本から改善したい方は、ぜひ最後までお読みください。
1.腱板損傷とは?
2.腱板損傷の主な症状と検査
3.腱板損傷の治し方:保存療法
4.腱板損傷の再生医療とは?
5.手術が必要な場合とその内容
6.術後のリハビリと禁忌動作
7.放置するとどうなる?
8.まとめ
1. 腱板損傷とは?
腱板損傷(けんばんそんしょう)とは、肩の中にある4つの筋肉(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)が上腕骨につく手前で腱になり、そこで傷つく病気です(棘上筋が最多)。
この「腱板」は、肩関節を安定させたり、腕をスムーズに動かす大切な役割を持っています。
加齢やスポーツ、転倒などで損傷しやすく、特に50歳以上の方に多く見られます[1]。
2. 腱板損傷の症状と検査
●よくある症状
– 腕を上げると肩が痛む
– 夜間、痛みで眠れない
– 肩に力が入りにくい
●診断に有効な検査
– MRI検査:腱板の断裂の有無や大きさを評価
– エコー検査:外来ですぐ確認できる便利な方法
3. 腱板損傷の治し方:保存療法
腱板損傷での治し方は、手術をしない保存療法が原則です。
主な方法は以下の通りです。
①安静
痛みを誘発する動き(内側に捻って腕を上げる動作など)は控えましょう。
腱板損傷サポーターとして、怪我した直後に三角巾(アームスリング)を使用することがあります。
②消炎鎮痛剤
一時的に痛みを抑え、生活を楽にします。
③注射療法
強い炎症にはエコーを使ってハイドロリリース(生理的食塩水)やステロイド注射が効果的です。
④リハビリ
正しい運動療法は最も重要です。腱板損傷のリハビリは可動域訓練や筋トレを段階的に行います。
ただし、腱板を痛める間違った動作で悪化させないようにしましょう。
4. 腱板損傷の再生医療とは?
手術をせずに腱の治癒力を高める方法、それが再生医療です。
・PRP療法:自分の血液から成長因子を抽出し注射
・APS療法:さらに高濃度に加工した注射法
部分断裂に対して、断裂が悪化せず治る可能性もあり[2]、保存療法で治らない方に希望のある選択肢です。
5. 手術が必要な場合
3ヶ月間の保存治療で症状が改善しない場合は手術が検討されます。
手術方法
最近は皮膚を大きく切る直視下手術より侵襲の少ない関節鏡手術が普及しています。
・鏡視下腱板修復術(関節鏡手術):小さな切開でカメラを使い、腱を縫い合わせます[3]。
・コラーゲンシート補強術:断裂部分にコラーゲンシートをかぶせて治癒を促進[4]
患者満足度は86〜100%と高く、回復も早い傾向にあります。
6. 術後のリハビリと禁忌動作
術後は外転装具やアームスリングで肩を保護し、段階的にリハビリを行います。
リハビリのステップ
- 可動域訓練:まずは動く範囲を回復
- 筋力強化:腱の回復を見ながら筋トレへ
- 機能的訓練:日常生活に戻る準備
注意点として、腱板断裂のリハビリで術直後に重い物を持ち上げたり、捻る動作は禁忌です。
7. 腱板損傷を放置するとどうなる?
放置すると腱板の断裂が少しずつ進行し、軟骨がすり減って変形性関節症になることもあります。特に腱板損傷を放置するとどうなるのか不安な方は、早期受診が大切です。
【解説動画】
肩のズキズキ痛み…腱板断裂を放っておくと、こうなります。
8. まとめ
【今回のポイント】
・腱板損傷は年齢と共に増える
・保存療法でも約75%が改善
・最新の再生医療・関節鏡手術も効果的
・リハビリと禁忌動作の理解が回復のカギ
保存治療で肩の痛みが続くけど手術はイヤ!という方は中山クリニックで再生医療無料相談をお試しください。今回の内容について詳しく解説しているのはこちら
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参考文献
- Boorman RS et al. What happens to patients when we do not repair their cuff tears? Five-year rotator cuff quality-of-life index outcomes following nonoperative treatment of patients with full-thickness rotator cuff tears. J Shoulder Elbow Surg. 2018 Mar;27(3):444-448.
- Prodromos CC et al. Treatment of Rotator Cuff Tears with platelet rich plasma: a prospective study with 2 year follow-up. BMC Musculoskelet Disord. 2021 May 29;22(1):499.
- Davey MS et al. Arthroscopic Rotator Cuff Repair Results in Improved Clinical Outcomes and Low Revision Rates at 10-Year Follow-Up: A Systematic Review. Arthroscopy. 2023 Feb;39(2):452-458.
- Thon SG et al. Evaluation of Healing Rates and Safety With a Bioinductive Collagen Patch for Large and Massive Rotator Cuff Tears: 2-Year Safety and Clinical Outcomes. Am J Sports Med. 2019 Jul;47(8):1901-1908.