長引くぎっくり腰に要注意!見逃せない症状とは
掲載日:2024.11.29
ぎっくり腰は突然の痛みで動けなくなることが多いですが、症状が長引く場合には注意が必要です。長期間改善しないぎっくり腰の背景には、見逃せない重大な原因が隠れていることがあります。本コラムでは、長引くぎっくり腰の原因や対策について解説します。
1.ぎっくり腰とは?
2.ぎっくり腰が長引くときに生じる症状
3.ぎっくり腰が長引く原因と疾患
4.見逃してはいけない症状
5.接骨院でのマッサージは危険!
6.まとめ
7.参考文献
ぎっくり腰とは?その原因と特徴
ぎっくり腰は医学用語ではなく、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれる状態で、腰の筋肉や靭帯が過剰に負担を受けることで発症します。典型的な原因は以下のようなものです。
- ・重い物を持ち上げたとき
- ・急な体のひねり
- ・長時間の不自然な姿勢
ぎっくり腰は多くの場合、数日から1週間程度で痛みが軽減しますが、これが2週間以上続く場合は別の要因が関与している可能性があります。
ぎっくり腰が長引くときに生じる症状
日常生活で以下のような状況が見られることがあります。
① 立ち上がるのが困難になる
椅子から立ち上がったり、寝ている状態から起き上がろうとすると、腰に強い痛みを感じる場合があります。
② 歩行が難しくなる
ぎっくり腰の痛みが原因で、歩行がスムーズに行えなくなることがあります。
③ 痛みが数ヶ月以上続くことがある
通常、ぎっくり腰の痛みは数日から数週間で治るとされています。しかし、一部の人では痛みが数ヶ月以上にわたり続くことがあります。
④ 特定の姿勢や動作で痛みが増す
特定の体勢を取ることで、痛みが悪化することがあります。例えば、前屈や後屈、物を持ち上げたり、体をひねったりした瞬間に腰に鋭い痛みを感じることがあります。
⑤ 腰を伸ばしたり曲げたりするのが難しい
腰を伸ばしたり曲げたりする動作が、痛みによって制限される場合があります。
腰の痛みの原因
ぎっくり腰が長引く症状の原因となる背景には、以下のような疾患があります。
①腰椎椎間板ヘルニア
背骨の間にある椎間板が、本来の位置からはみ出して神経を圧迫することで、ぎっくり腰の症状が長引く場合があります。この疾患では、身体を前かがみにする、座った姿勢、咳やくしゃみなどで痛みが増しやすいのが特徴です。
② 腰部脊柱管狭窄症
脊柱管(背骨の中を通る神経の通り道)が狭くなることで神経が圧迫され、ぎっくり腰のような痛みやしびれが引き起こされます。特に、歩行時の症状悪化や下肢のしびれが特徴です。
③ 筋筋膜性腰痛
腰の筋肉や筋膜が過度に緊張した状態が続くと、ぎっくり腰のような痛みが長引くことがあります。この場合、動作制限や慢性的な腰の張りが見られます。
④ 骨粗鬆症
骨の密度が低下し脆くなる病気です。骨が弱くなることで腰椎に負担がかかり、ぎっくり腰を引き起こしやすくなります。特に高齢者では脊椎骨折のリスクも伴います。
⑤ 変形性腰椎症
加齢などにより背骨の関節部分が摩耗し、炎症を伴うことでぎっくり腰のような痛みが繰り返し発生します。この疾患では、慢性的な腰のこわばりや身体を反る、捻るなどの動作時での痛みが特徴です。
見逃してはいけない症状
以下のような症状がある場合、単なるぎっくり腰ではない可能性[1]があります。
- ・全身の発熱を伴っている
- ・排尿困難などの症状が生じている
- ・横になって安静にしても痛みが強い
- ・下肢に強い痛みやしびれなどの重篤な神経症状が出現している
これらの症状がある場合は、早急に整形外科専門医の診察を受けることが必要です。
接骨院でのマッサージは危険!
接骨院で行われるマッサージや整体は、適切な診断をせずに対症療法に重点を置くことが多く、痛みや不調の緩和に役立つ場合がありますが、根本的な原因を解決することはできません。
一方、整形外科では、腰痛を含む身体の運動器に関する痛みや不調の原因を特定し、根本的な治療を行う専門科です。特に、腰の痛みが長引く場合や神経症状を伴う場合は、画像診断(X線やMRI)などを通じて原因を明確にし、適切な治療を行わなければなりません。特に腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症はMRIを撮影しないと診断できません。またレントゲンで骨折や異常がなくても、MRIで脊椎椎体骨折や腰椎分離症が見つかることがあります。症状が長引いている場合や強い痛みがある場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
まとめ
治療するための最初の一歩は、整形外科で診察を受けることから始まります。
しかし、
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