動注治療について
動注治療とは

動注治療とは、超音波(エコー)ガイド下で血管に細い針を穿刺し、薬剤を病変部近くの動脈に直接注入する治療法です。
全身投与と比べて、局所に高濃度の薬剤を届けられるため、より高い治療効果が期待できる一方で、副作用を最小限に抑えることが可能です。
整形外科領域では、慢性的な関節痛や腱の損傷、筋肉の炎症に関与する「異常血管(abnormal neovessels)」に対して選択的に投与することで、痛みの軽減や機能回復を目指します。
異常血管とは?

人間の身体には、生命を維持するために欠かせない「正常な血管」だけでなく、病気の原因となる「異常な血管」が形成されることもあることが、近年の研究で明らかになってきました。
特に、治りにくい関節の痛みには、いびつな構造で“モヤモヤ”とした像に見えることから「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な血管が存在することが、さまざまな研究で確認されています。
なぜ「モヤモヤ血管」は痛みを生むのか?
血管と神経は一緒に増える性質があり、異常血管の周囲には余分な神経も増えます。これが痛みの信号を脳に送る原因となります。
一度できたモヤモヤ血管と神経は自然には減りにくく、痛み止めや湿布では十分な改善が望めません。
40歳以降や、同じ部位に負担をかけ続ける方には、特にできやすいとされています。
この異常血管に直接アプローチする新しい治療法が「動注治療」です。
動注治療の流れ・医師紹介
治療の流れ

- 事前予約:※完全予約制です。Web予約ページより動注治療をご予約下さい。
- 診察:症状・画像所見・既往歴をもとに適応を判断
- 動注治療:エコーガイド下で病変部近くの動脈に薬剤を注入
- アフターケア:治療後の安静、経過観察、必要に応じて再診
動注治療の担当医師について

当院では、オクノクリニックより澁谷先生をお招きし、月に1回限定で「動注治療(自由診療)」を実施しております。
澁谷先生は、オクノクリニック神戸三宮院の院長を務めておられ、「動注治療専門外来」を長年担当されています。
これまでに延べ数千例を超える患者さまの治療に携わってこられた、豊富な経験と実績をお持ちの先生です。
動注治療の分野において専門性が高く、関節や筋肉、腱の痛みに対する治療に尽力されてきました。
国内外の学会でも多くの症例報告を行っておられ、安全性と治療効果の両面において高い評価を得ています。
対象疾患の一例
- ヘバーデン結節、CM関節症
- テニス肘、ゴルフ肘、野球肘
- 足底腱膜炎、外反母趾、アキレス腱炎、痛風
- 肩関節周囲炎(五十肩)など