体外衝撃波疼痛治療
体外衝撃波疼痛治療とは
従来の治療(内服薬・湿布、物療、ストレッチングなど)でも改善しない難治性の腱炎・腱付着部炎の痛みは、スポーツ選手や仕事・趣味で身体に過負荷をかけざるを得ない方々にとってはスポーツ活動と日常生活に支障を来す大きな課題です。体外衝撃波は痛みを改善する治療法の選択肢の一つになります。
こんな症状の方に有効です。
- 慢性で難治性の痛みに苦しむスポーツや仕事に支障がある方々
- 筋・腱付着部障害による疼痛性疾患の方
- 難治性の足底腱膜炎の方
手術を行わずに痛みをとる安全かつ有効な治療法
衝撃波を患部に照射する整形外科では新しい治療法です。ヨーロッパを中心に普及し、足底腱膜炎など多くの疼痛性疾患の除痛を目的とした治療に応用されています。欧米ではスポーツ選手を中心に、低侵襲で安全かつ有効な治療法として使用されています。筋・腱付着部障害に対する衝撃波療法の作用機序は病変部で痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚とすることにあります。また、衝撃波が局所的に血管新生を誘導し組織修復を促すことが分かっています。
保険適用となる疾患
『6カ月以上も改善が得られない難治性の足底腱膜炎』に有効な治療法として2012年11月より保険適用となりました。国際整形外科体外衝撃波学会( ISMST )では、下記の疾患が体外衝撃波治療の適応疾患と認められています 。
※基本的に、少なくとも6カ月以上の保存的治療で治らない方が対象です。
※保険適用(難治性の足底腱膜炎)以外の疾患については自由診療扱いになります。
衝撃波治療の特徴
-
point.1
1回の治療時間は
約15分です -
point.2
麻酔などは不要です
-
point.3
外来通院で治療します
-
point.4
傷痕は
残りません -
point.5
副作用が
ほとんどありません -
point.6
治療後には治療前と同様に
すぐに歩行が可能です
※1回で効果が得られない場合は、数週間の期間を置いて複数回治療を行うことも可能です。
痛みを感知する自由神経終末の変性を誘導して無痛覚にします
衝撃波治療の流れ
step.1診察・予約
照射治療の前に、診察および必要な検査(レントゲン、超音波エコー、MRI等)を行います。治療の適応があれば、体外衝撃波疼痛治療の予約を調整します。
※照射治療の日時は予約制です。
step.2治療実施当日
診察の際は医師が症状をお聞きし、リラックスな体勢で患部に機器を当てます。超音波エコーでターゲットとなる照射部位を確認しながら、照射位置を特定します。
※照射部位により体位が異なります
step.3治療・照射・メンテナンス
低レベルの照射から開始し、反応を見ながら徐々に照射頻度と強度を上げます。治療中はある程度の痛みを伴います。低いレベルでの照射に耐えられない方は途中で治療を中断する場合があります。
おそよ20分程度、総エネルギー量が設定値に達したら終了です。
治療後は、歩いてご自宅に帰れます。
体外衝撃波疼痛治療による有害事象について
本治療における有害事象の発生が非常に少ない治療法ですが、本治療により起こりうる有害事象としては、以下のようなものがあります。
- 治療中および治療後の疼痛
- 衝撃波照射部位の腫脹
- 衝撃波照射部位の斑状または点状出血
- 感覚異常、知覚低下、神経痛、その他の一過性もしくは永続的神経障害
- 湿疹
- 腱、腱膜の断裂
- 衝撃波誤照射による組織損傷
- 骨の異常増殖
費用について
足底筋膜炎 (保険適応) |
負担 3 割 15,000 円 1 割 5,000 円 |
---|---|
その他 (テニス肘など) |
1 回目 15,000 円 2 回目以降 5,000 円 |